昨年になりますが旅先でのこと。以前テレビで見て以来ずっと気になっていた深堀隆介さんの金魚アートに、思わぬ形で再会することができました。まさか旅先で偶然開催されているとは夢にも思わず、まさに「運命の出会い」といった感覚でした。
●テレビで見た以上の感動!「2.5Dペインティング」の迫力
以前テレビでその存在を知って以来、いつか実物を見てみたいと願っていた深堀さんの金魚たち。会場に足を踏み入れた瞬間、目の前に広がる光景は、テレビ画面で見ていた以上の迫力と美しさでした。
深堀さんの代名詞ともいえる「2.5Dペインティング」という技法は、まさに圧巻の一言です。透明な樹脂を流し、その上にアクリル絵の具で金魚の一部を描き、再び樹脂を重ねては描き込む…という、気の遠くなるような作業を何度も繰り返すことで、あの驚くべき立体感が生まれているのだと改めて実感しました。
薄いヒレの繊細な表現や、光の加減で変化する体表の輝き、そして水中に差し込む光や影までもが緻密に再現されており、本当に金魚がその場で泳いでいるかのような錯覚に陥ります。静止しているはずなのに、まるで今にも動き出しそうな生命感に満ち溢れていました。
●器と一体となった生命の輝き
作品は、升や桶、器など、様々な形状の支持体の中に制作されています。旅先で訪れた場所の雰囲気とも相まって、これらの器が、単なる額縁ではなく、作品の一部として金魚たちの世界観をより一層引き立てているように感じました。古びた木製の升の中に優雅に泳ぐ金魚や、小さなガラスの器の中でひっそりと佇む金魚など、それぞれの作品が持つ物語性を感じさせてくれます。
特に印象的だったのは、見る角度によって金魚の表情や動きが微妙に変化するように見えることでした。これは、何層にも重ねられた絵の具と樹脂が生み出す、奥行きのある表現ならではの魅力でしょう。
●偶然の出会いがくれた、特別な感動
テレビで見て抱いていた興味が、実物を目の当たりにして確かな感動へと変わりました。
今回の鑑賞を通じて、改めてアートの持つ無限の可能性と、クリエイターの想像力、そしてそれを形にする技術の素晴らしさに触れることができました。旅の思わぬ副産物として、心に残る特別な体験となりました。写真では決して伝えきれない、本物の作品が持つ力を...
深堀隆介展-水面のゆらぎの中へ
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